明治時代の教科書より:「紙で作ったかえるが動いた」

子どもたちがたくさん集まっていました。 その中の一人が、紙を折って作ったかえるを出して 「これは生きている!」 と手をはなしました。 するとふしぎなことに、紙のかえるはそろそろと動きはじめました。 みな、ふしぎに思ってみていました。 やがて一人がかえるに息を吹きかけてみると、かえるはひっくりかえって、こがね虫があらわれました。 「ああ、これがタネだ」 と、みんなが手を打ってわらいました。 次の日、またべつの子がいいました。 「おもしろいものを作ったから、みんな見にきて」 みると、うつわにはった水の上を、木でつくった鳥があちこち泳いでいました。 「これはおもしろい。どうやったの?」 ときくと、昨日のかえるを見てから、いろいろ工夫して、木で鳥を作って、それを糸で魚のフナの尾にむすびつけたのだ、と言いました。 小学国語読本より

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