尋常小学校の教科書より:小野道風(おのの とうふう)

昔、小野道風(おのの とうふう)という人がいました。 若いときに字を習いましたがうまく書けず困っていました。 あるとき、雨の降る日に道風が庭に出て池の傍を通りますと、しだれ柳の枝へ、かえるが飛びつこうとしています。 かえるは柳のつゆを虫とでも思ったのでしょう、飛んでは落ち、飛んでは落ち、何べんも、何べんも、飛びつこうとします。 だんだん高く飛べるようになって、とうとう柳に飛びつきました。 道風はこれを見て、このかえるのように、根気がよければ 何事もできないことはないと悟りました。 それからは、一生懸命になって毎日、字をならいました。 ずんずん手が上がって、のちには名高い書手となりました。   尋常小学校 小学国語読本 巻3 昭和3年 小野道風(894年から966年)は、平安時代中期を代表する能書(書の上手な人)です。 小野道風の家系、小野氏は遣隋使で有名な小野妹子を祖先として、岑守・篁・美材等の学者や能書を輩出した名族でした。 幼いころから字が上手だった道風は、書をもって宮廷に仕え、数々の輝かしい業績を残しました。 愛知県春日井市ホームページより

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