女子のつとめは、多くが家の中の仕事です。
食べ物を用意し、衣服を仕立て、老人をいたわり、子どもを養育し、親戚やご近所との付き合いをし、来客をもてなすといったことです。
たとえ学問や技能、芸術に優れていても、これらのことが欠けていては役にたちません。
そのため、女子は幼い頃からできるだけ家事を手伝い、これらのことに、滞りないようにならなくてはなりません。
加えて、暇があれば、縫箔、編み物、造花などの稽古をするのも、よいでしょう。
糸繰り、機械織りなども女子にはふさわしい作業です。
我が国の重要な産物で、年々、海外に輸出する織物、生糸などは、たいてい女子の手で作られるものです。
ただ自分自身を着飾ることばかり考えて、女子の大切なつとめを、おろそかにしてはいけません。
ユザワヤより
高等小学校国語読本 明治34年