戦前の教科書より:礼儀の作法とは

私たちが世間の人と共に生活する上では、知っている人にも、知らない人にも、礼儀を守ることが大切です。 礼儀を守らないと、人に不快な思いをさせ、また自分の品位を落すことにもなります。 人の前に出る時には、頭髪や手足を清潔にし、着物の着方にも気をつけて、身なりをととのえなければ失礼です。 人の前であくびをしたり、目くばせをしたり、内緒話をしたりするような不行儀なことをしてはなりません。 人と食事をする時には、音を立てたり、食器を乱雑にしたりしないで、行儀よく、ゆかいな気分で食べるようにしなければなりません。 部屋に出入りするときの、戸やしょうじの開け締めは、静かにするものです。 電車などの乗り物に乗った時には、たがいに気をつけて、人に迷惑をかけないようにすることが必要です。自分だけ席を広くとったり、行儀の悪い格好をしたり、いやしい言葉使いをしたりしてはなりません。 集会所・停車場、その他、人が混み合って順番を守らなければならない場所で、人を押しのけて、我先にと行ってはなりません。 また人の顔かたちや、なりふりを笑い、悪口を言うのはよくないことです。 人にあてた手紙を、許可なく開いて見たり、人が手紙を書いているのをのぞいたりしてはなりません。 そのほか、人の話を立聞きするのも、人の家をのぞき見するのもよくないことです。 親しくなると、何事もぞんざいになりやすいものですが、親しい中でも礼儀を守らねば、仲よく交際することはできません。

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