本居宣長

一分で読める本居宣長の人柄:修身の教科書より

本居宣長は、日本の昔の本を読んで、日本がとても立派な国であることを人々に知らせた、名高い学者です。 宣長は、たくさんの本を持っていました。そして、ひとつひとつ、本棚に入れて、よく整頓していました。 そのため、夜、明かりをつけなくても、思うように、どの本でも、取り出すことができました。 宣長はいつも家の人に、 「どんな物でも、それを探すときのことを思えば、しまう時に気をつけなければならない。入れる時に少しの面倒はあっても、いるときに早く出せる方がよい」 と、言ってきかせました。 宣長が名高い学者になり、立派な仕事を残したのは、普段からものをよく整頓しておいたことが、どれだけ役に立ったかしれません。

本居宣長を一分で読む!:明治時代の教科書

山桜が咲き誇っている中に、赤い細い葉がまばらに混じっている様は、くらべるものがないぐらい美しい。 葉が青くなってしまって花がまばらになってしまうと、だいぶ劣ってしまう。 山桜といわれるものも様々だ。細かく見れば、木ごとに変わったところがあって、全く同じ木はない。 また、八重、一重などといった種類も様がわりして、とても美しい。 曇った日に見上げて見る花は色鮮やかに見えない。 松などが青く繁ったかなたに咲く花は、色が殊のほか映えてみえる。 空がよく晴れた日、日影のさす方から見る花の美しさにならぶものはない。同じ花と思えないほどだ。 国語読本 巻3 明治34年