子どももわかりやすい

尋常小学校の教科書より:「お花の子守唄」

お花は学校から帰ると、お使いに行ったり、庭を掃き掃除したりして、お母さんの
お手伝いをします。
赤ちゃんが泣き出すと、すぐ傍によって
「ねんねんころりよ、おころりよ。
ぼうやはよいこだ、ねんねしな」
と、かわいらしい声で子守唄を歌います。
それでも、まだ赤ちゃんが泣くときは
「おかあさん、赤ちゃんに、お乳をのませてちょうだい」
こういって、抱っこをして、おかあさんのところにつれていきます。
お花は今年、九つです。

 

尋常小学国語読本 巻3 昭和3年

尋常小学校の教科書より:「指の名前」

夕飯が済んだあと、おじいさんが一郎に尋ねました。
「おまえは手の指の名前を知っていますか?」
「知っています。一番太いのが親指で、一番細いのが小指です。」
「それから?」
「それから、一番長いのが中指です。中指と親指の間にあるのが人差し指、中指と
小指の間にあるのが、薬指です。」
「そうです。では、足の指の名前を知っていますか?」
「同じことでしょう。」
「まあ、言ってごらん。」
「親指、人指し指。」
おじいさんは笑いながら
「二郎、お前はその指で人を指しますか?
足の指には親指と小指の他は名がないのです。」
と、教えてやりました。