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iPhoneユーザーはトランプ氏の味方?アメリカのアップル人気の真相

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2016年 大統領選でトランプ氏に投票した人たちの正体

2016年11月の大統領選でのトランプ氏の勝利は世界を驚かせましたね。
このとき、私は、ある疑問をいだいて勝利を眺めていました。

「一体トランプ支持者たちは、どうやって政府の監視をくぐり抜けて結びつき、投票日までこぎつけたのだろう?」

という疑問です。

2016年当時、アメリカ国内ではヒラリー候補当選の予想が圧倒的でした。粗野で暴言の多いトランプ氏への支持を公にするのは、後ろめたい雰囲気でした。

トランプ氏を支持する人たちも、周りから孤立していれば、消極的になるでしょう。
中には、そんなこと気にせず投票場に向かう人もいるでしょうが、その人たちの数だけでヒラリーさんを打ち負かすのは無理だったでしょう。

しかもトランプ氏の当確が出たのは、開票から間もないうちでした。それほど大差だったのです。

トランプ支持者たちが互いを励まし、団結していたのは間違いない・・・しかし、トランプ支持者に疎外的だった当時の社会で、どのように結びつくことができたのでしょう?

一般的には、ロシアがフェイスブックやツイッターなどSNSを悪用しネット工作を行い、トランプ氏を当選させたとされています。
(関連外部記事:米大統領選 見えてきた「ロシアSNS悪用」の実態 読売新聞)

しかし、それには限界があるでしょう。スノーデン氏の告発にもあるように、アメリカ政府は国民のネット上の活動を常に監視しています。多数に影響を与えるほどの活動は、すぐに目をつけられます。

NSA(米国家安全保障局)の極秘監視プログラム「PRISM」を利用することでEメールやインターネット通話の記録、動画、画像、SNSの個人情報の収集が可能となる。さらにそれらの情報は、グーグルやフェイスブック、マイクロソフトといった大手企業から入手しているとされている

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/2966

政府の監視におびえるアメリカ人たち

日本で、「言論の自由のない国」と聞くと、すぐに中国やロシアが浮かぶでしょう。
しかし、実際はアメリカ人もまた、政府の監視の下で、言論の自由のない生活をしています。

アメリカ人より日本人の方が自由

まだオバマ氏が大統領の頃のことです。私は、とあるアメリカ女性とメール交換をしていました。学校の補助員をしている方だと名乗っていました。
私は軽い気持ちで、日本政府や国内の社会問題の愚痴をメールに書きました。

そのとき、彼女はこのように返してきました。

「ごめんなさい。私はメール上で外国の政府や制度を批判することは書けない。今の仕事を失いたくない。家族もいる。あなたがアメリカにいて、面と向かってなら話せるのだけど」

私は本当に仰天しました。アメリカという国と、アメリカ人というものへの認識が変わった瞬間でした。

アメリカ人の多くは、政府と、その監視を恐れて暮らしています。

 

ポケモンGoユーザーを激減させたもの

過去記事「ポケモンもプーチンには勝てない?ポケモンGoにCIAのスパイ疑惑」にて、ポケモンGoの制作会社、ナイアンテック社とアメリカ政府機関CIAの関わりについて取り上げました。

ポケモンGoのリリースは2016年7月。その直後から大ブレイクが起こりました。しかし、まもなく「ポケモンGoを通じて政府機関に個人情報を抜かれる」という噂がアメリカのSNS上で広がり、ユーザーが離れ始めました。

ポケモンGo ユーザー数の推移 2016-2018年

https://www.businessofapps.comより

2016年→2017年は、すごい減り方です。ブレイク時の人気が嘘のようです。
アメリカ人が、いかにこの問題に神経質かを表す変化ですね。
2018年以降は、海外進出のおかげか信頼回復できたのか、再び上昇に転じてますが。

このようなアメリカ監視社会の下で、トランプ氏を支持する人たちは協力しあわなければなりませんでした。
実際、アメリカ国内のメディアの大多数がヒラリー候補当選を予想していたぐらい、こっそり結びついていたのでした。

一体、どうやったのか?
この疑問のヒントかもしれないのが、前記事で取り上げたロシア人起業家によるメッセージアプリ「テレグラム」です。

 

iPhoneユーザーの間で人気 テレグラム

テレグラムは、ロシアで最も人気のあるメッセージアプリです。ロシア人、パーヴェル・ドゥーロフ氏とその兄により始められました。オペレーションセンターはドバイにあります。
(パーヴェル・ドゥーロフ氏とは?>「「ロシアのザッカーバーグ」パーヴェル・ドゥーロフの謎めいた歩み」)

日本では知る人ぞ知るテレグラムですが、世界全体で5億人を超えるユーザーがいます。ISIS(イスラム国)でも利用者が多いことで知られています。
特にiPhoneなど、アップル製品ユーザーの間で人気があります。

iOS App Storeにおけるテレグラムのランキング上位国


https://backlinko.com/telegram-usersより 順位は social networking appsジャンル内の順位です。

アップルはユーザーの個人情報に関するアメリカ政府の要求を、拒否してきた過去があります。
(外部リンク:「アップル対FBI セキュリティ解除問題の持つ広がり
半官半民に近いアルファベット社(Google)に対し、アップルは政府寄りになりすぎないことで、差別化をはかってきました。

iOSユーザーが、ドバイにオペレーションセンターがあるロシア人の会社を利用する・・・。
たしかにアンドロイドOSを使用したり、グーグルやフェイスブック系のサービスを使うより、監視されるリスクは低そうです。
ちなみに2016年2月の情報によると、トランプ氏自身もiPhoneユーザーだそうです。

 

ファイブアイズの国々はAppleユーザーが多い

以下は、2022年の世界のスマートフォンOSの勢力図です。

灰色がiOSが過半数を占める国、オレンジ色がandroidが過半数の国です。

面白いことに、ファイブアイズの国々は、ニュージーランド以外すべてiOSユーザーが過半数になっています。
上に述べた、一般市民のネット監視への警戒心を考えると、納得の結果でしょう。

iOSユーザーが過半数を占める国には、日本も含まれています。
しかし、日本とアメリカでは、iOSの人気の理由は全く違うかもしれませんね・・・

トランプ陣営の現在の活動 ウクライナ侵攻の3日前に・・・

トランプ氏陣営は2月21日より「トゥルース ソーシャル(Truth Social)」というSNSを立ち上げています。
2月24日に起こる、ロシアのウクライナ侵攻の3日前です。

現在、このアプリに対応しているのはiOSのみです。パソコンのブラウザでも閲覧できません。
iOSユーザーでも、150万人近い人々がダウンロードできず順番待ちになっていると、BBCは報じています。本当にそうなのか、それともトランプ陣営側が「認めた人」だけダウンロードできる仕組みになってるのかは、わかりませんが。

ちなみに4月9日現在、Truth Social公式ページを開くと"今はアメリカ以外の国にはサービスを提供していない"といった由の案内をされます。

またトランプ陣営は3月24日には「MxM New」というニュースアプリを発表しています。こちらはiOSとandroidの両方に対応しています。誤った情報を与える制度的支配から逃れた、厳選されたニュースを配信するそうです。

 
またトランプ氏本人も、中間選挙に向けて「セーブ アメリカ ラリー(Save America Rally)」という長期遊説を行い、支持者を増やすための活動をしています。
 
https://www.bbc.com/news/technology-60922717
https://www.neowin.net/news/apple039s-iphone-is-surprisingly-common-in-the-five-eyes-countries/
https://www.buzzfeed.com/jp/sakimizoroki/apple-security-battle-jp
https://www.businessinsider.com/pavel-durov-telegram-billionaire-russia-instagram-wealth-founder-dubai-lifestyle-2022-3

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