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海外から見た「ひきこもり」 世界で日本だけ多い理由

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現代の子どもたちにとって「不登校」はとても一般的な言葉です。

私が知る都市部の地域だと、小学校高学年~中学生になると、どの学年も数人は不登校児がいる状態になるようです。
「さくら」も「うさぎ」も歌えない現代の日本の子供たち」も、不登校児が何なのかは知ってるのが今の時代です。

 

しかし、第二次ベビーブーム世代の私が中学生の頃は、不登校の生徒が学年に複数いるなんて、ありえない話でした。
当時は80年代でしたが、まだ「引きこもり」という言葉は一般の間に存在しませんでした。

 

現在、引きこもりという言葉は日本だけでなく、海外でも広まっています。そして主に日本でみられる特異な現象として「Hikikomori」という英語版のwikiページすら存在します。

 

英語版wikiでは、日本の「引きこもり」の多くは、不登校から始まるとしています。

以下は1970年代~1998年までの、不登校児数の割合の増加の推移のグラフです。

・・・80年代から少しずつ増えていき、90年代に一気に増えたことがわかりますね。
値はそのまま高止まりし、2017年度は3.25%です。

社会問題になり、マスコミが取り上げ、「引きこもり」という言葉が一般的になったのも、90年代からでした。

 

英語版wikiで知る「ひきこもり」

英語版wikiは「引きこもり」について、以下のように書いています

・中流または中流以上の家の第一子の男子に多い

・生活あるいは学業において、大きなトラウマを抱えているケースが多い

・日本のひきこもりのようなケースは、アメリカ、モロッコ、オマーン、スペイン、イタリア、韓国、フィンランド、フランスほか、世界の広範囲で見られる

・しかし、大部分は日本でみられる現象である

 

日本のwikiの「引きこもり」ぺージでは「特に先進国で存在する」とありますが、英語版wikiには先進国云々といった記述はありません。

 

また英語版wikiは、日本にひきこもりが多い理由として、以下を挙げています。

・儒教文化の国でよく見られる教育熱心な親が子供に与えるプレッシャー

・儒教文化に根ざした、個人より社会的調和を志向する日本社会の圧力

・引きこもりの半数ほどにみられる発達障害や精神疾患

 

英語圏では「引きこもり」を、日本で主に見られるためか、東洋文化に根ざした現象と考える傾向にあるようです。日本の伝統的な引っ込み思案気質が生んだ「現代の隠者(post-modern hermits)」などと呼ぶ向きさえあります。

 

しかし、儒教文化のある国はアジアで日本だけではありません。
それに、引きこもりを多く出している世代は上世代と比べて儒教の影響は少ないです。ひきこもりが一般的になった90年代以降の日本社会も、昭和の時代と比べて、かなり個人主義的な傾向です。

また発達障害や精神疾患も、日本以外の国でもみられることです。

以上の理由では、なぜ、「1990年代以降」の「日本」が、世界の大多数を占める引きこもりを出すことになったのかの説明はできません。

 

戦後世代の親の増加と不登校児の増加

冒頭のグラフをみると、不登校の中学生が増えてきたのは、80年代半ばからですね。
いわゆる団塊ジュニアとよばれる世代の子供たち以降からです。

 

なぜ団塊ジュニア世代とよばれるのか?それは戦後のベビーブームで生まれた人=団塊世代を親にもつケースが多いからですね。

しかし初期の団塊ジュニア世代・・・いわゆる第二次ベビーブーム世代は、母親のみ団塊世代という場合も多かったです。

戦後昭和は「クリスマス・ケーキ」で有名なように、女性は25歳までに結婚するのが良しとされる風潮でした。そのため、多くの団塊女性が近い時期に結婚して子供を産んでいました。

しかし、その頃の団塊男性のほうはまだ若く、結婚の準備ができてないケースも多かったです。

厚生労働省の統計によると、第二次ベビーブーム世代(1971~1974年生まれ)の両親の約70%が大戦中、もしくは大戦前生まれだとあります。

両親ともに団塊以降の生まれが多くなるのは1970年代後半生まれからだそうです。

・・・1970年代後半生まれが中学生になる時期は、ちょうど、不登校児が激増しだした90年代と重なりますね。

以降、戦後生まれの両親が当たり前になっていき、同じく不登校児の存在も日本で当たり前になっていきます・・・

 

また90年代は、戦前教育世代が定年を迎えた時期でもあります。学校の教師も戦後教育世代が中心になっていった点も、見過ごせないでしょう。
(関連記事:「経済大国を作った戦前世代、失われた20年の戦後世代」)

 

世界でも日本でだけ多い「ひきこもり」・・・
その原因は、戦後世代の親たち教師たちが持つ、それまでの日本にあったものとは違う価値観にあるのかもしれません。

 

https://syukatsulabo.jp/article/2712
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiishiko/20181029-00101956/


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