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ソフトバンクは貧困国型の企業。国家のお金を渡してはいけない人たち

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アフリカにいる孫さんによく似た大富豪

ナイジェリアには、アフリカで三番目に裕福な実業家とされるマイク・アデヌガ(Mike Adenuga)という人物がいます。白人か世襲の富豪が多いアフリカですが、アデヌガ氏は一代で富を築きました。
このアデヌガ氏、孫さん(孫正義氏)と以下の共通点をもつ人物でもあります。

1:通信インフラで成功

孫さん同様、アデヌガ氏もグローバコム(Globacom)という通信会社のCEOです。ナイジェリアだけでなくベナン、ガーナも拠点にしています。

2:若い頃にアメリカに留学

孫さんはカリフォルニアの大学の経済学部の出身ですね。
アデヌガ氏もオクラホマとニューヨークの大学で経営学の学位を得ています。

3:もとは異業種の自営業者だった

通信会社の成功で名をなした孫さんですが、元は出版社を経営していました。
アデヌガ氏も元はソフトドリンクの流通事業者でした。その後、資源のあるナイジェリアならではですが、油田掘削の権利を得て、現在もコンオイル(Conoil)という会社の重役をしています。

4:自国と英語圏に大豪邸の自宅

孫さんは港区の豪邸2件のほか、カリフォルニアにも広大な豪邸を所有しています。
アデヌガ氏も自国とロンドンに大豪邸を持っています。アデヌガ氏の子どもたちはロンドンで生まれています。

5:欧米進出が好き

孫さんの欧米企業への積極的な投資、買収はよく知られていますね。
アデヌガ氏もフランス、イギリス、そしてアメリカに多岐にわたる金融資産を持っています。CNNのアフリカ関係部分のスポンサーもしています。
2人とも、そうした国々の要人との付き合いを誇っています。

日本wikiには孫さんが2017年にデビッド・ベッカム氏の投資家グループの一員として参加を認められたとあります。
アデヌガ氏のグローバコムもまた、2009年頃、かつてベッカム氏のいたマンチェスター・ユナイテッドのスポンサーをしていました。

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孫さんも、アデヌガ氏も、おそらくお互いのことはあまり知らないのではないかと思います。
しかし、二人の志向や行動は不思議なほど似ています。
ふたりとも、若い頃からアメリカを目指し、西側諸国のビジネスモデルに価値観を合わせてきた結果、同じような特徴を持つ人物になったと思われます。

 


ナイジェリアのアデヌガ氏の邸宅

 


カリフォルニアの孫さんの邸宅

 

ナイジェリアは先進国にはほど遠い

ナイジェリアはイギリスの植民地でした。そのため公用語が英語のイギリス連邦の国です。
人口の多いナイジェリアはアフリカ一のGDPを誇ります。富豪も比較的多く、アフリカ一の経済大国ともいわれます。
しかし産業は乏しく、輸出の95%、歳入の80%は原油収入です。資源頼みのため、経済は原油価格に大きく左右されます。
アフリカ最大の産油国にもかかわらず、2019年度の一人あたりGDPはアフリカ53国中18位と、中の上ぐらいの順位です。世界順位にすると131位です。フィリピンとベトナムがそれぞれ125位と127位なので、東南アジアの下位グループぐらいということになります。
富豪と庶民の生活水準の差が激しいためか、治安は非常に悪いです。internationsによると、アフリカ大陸内でも、南アフリカに次いで二番目に危険な国とされています。

 

国を貧しくする貧困国タイプの大富豪たち

過去記事「昭和までの大金持ちと、日本を貧しくした現代の大金持ち その違い」において、フィリピンが生んだセレブ、イメルダ夫人について取り上げました。

イメルダ夫人と、孫さんと、アデヌガ氏。この三者に共通するものは何でしょう。

それは自国が生んだ収益を、自国に還元させず、西側諸国に渡してしまう点です。

孫さんの原資は、日本の通信インフラ事業の収益=日本人が日本国内で働いた結果のお金です。
そして欧米はじめ世界の企業に投資を行ってきました。日本国内では、彼の海外投資を肯定的に見る人が多いですね。
しかし、前記事で述べた「中国のNTT株」アリババ以外は、さほど成功していないのが現実です。また後に述べる理由から、今後もあまり成功の期待はできないと思われます。失敗した海外投資は現地の人にお金をあげてしまったのと同じです。

イメルダ夫人の贅沢の原資もフィリピン国民の税金でした。彼女はそれを西洋絵画やフェラガモの靴を買ったり、マンハッタンのビルを購入することに使ってしまいました。マンハッタンのビルは維持できず手放しましたね。儲けたのはアメリカの不動産業者とビル管理業者、そしてニューヨーク市です。夫の不正を問われてアメリカに一家で亡命したときは、これまた大きな財産をアメリカに持ち込みました。

アデヌガ氏の原資も自国の石油事業と通信事業です。働いているのはアフリカにいるナイジェリア人たちです。そのお金で彼はロンドンの豪邸を維持し、彼の子供たちはそこで贅沢放題に暮らしています。彼自身もヨーロッパ車のコレクションがあり、ベンツやベントレーを何台も所有しています。儲かるのはもちろんヨーロッパのビジネスマンです。ナイジェリアの労働者には還元されません。

国民が働いても働いても、そのお金は外国人の手に渡ってしまう。それもインフラ代金や税金といった社会の大動脈のお金が・・・
こうしたお金持ちの元にお金を集めさせてしまう国は、永遠に豊かになれるはずないです。

 


人々にお金を施すイメルダ夫人
(関連記事:「昭和までの大金持ちと、日本を貧しくした現代の大金持ち その違い」)

 

孫さんの欧米企業買収はなぜ今後も失敗しそうなのか

前記事「ペッパー君はフランスのロボット!?ソフトバンクが黙ってる3つのこと」において、ソフトバンクが仏アルデバラン社を買収してまもなく、フランス人技術者たちの多くが退職してしまったという情報について述べました。
この話はとても象徴的です。そして日本人にも理解しやすい理由です。

たとえばアップルコンピューターが日本のある企業を買収するとしたら、その会社の従業員たちは大喜びするでしょう。日本人の多くがアップルに親しみを持っており、その技術力や安定性を評価しているからです。

しかしアルゼンチンやポルトガルのような、過去は先進国でも今は凋落している国の、国内事業中心の異業種の企業に買収されるとしたら、たとえ白人のCEOが来ても不安になるでしょう。もし中国や韓国の企業なら、ヒステリックな拒絶反応を示す人もいるかもしれません。

従業員が自社を買収した企業に魅力を感じない場合、よそでも稼げる優秀な人ほど、やめていく。それは欧米企業も同じです。熱心に働いてくれる人ほど、お金の力だけで引き止めるのは難しいです。

過去のソニーの欧米企業買収が比較的成功してきたのは、現地の人がソニーというブランドに親しみと尊敬をもっていたためでしょう。ソニーは世界市場を相手に商品を売り、成功させてきました。
(関連記事:「若い世代ほど知ってほしい トヨタ以上だった日本の栄光 ソニーの凋落(上)」)

しかしソフトバンクは日本国内だけで通用するブランドです。外国人はソフトバンクに対して、ときめくものがありません。

大金を出して企業という箱を買収しても、その箱に価値を与えている内部の人間たちが去ってしまえば、箱にも価値がなくなります。
現地の人々と向き合って、一から会社を作り直す覚悟と粘り強さがあれば成功するケースもありますが、過去の歩みからして、おそらくソフトバンクはそういう選択はしないでしょう。

 

 

ギャンブラー孫さんはいつか失脚するのか?

欧米企業の売買、投資を繰り返す孫さん。「ギャンブラー」と評する英文記事もあります。
「最後は大損して何もかも失ってしまうのではないか?」そう思われる方も少なくないですね。

しかし、おそらくそうはならないでしょう。

世界中から富を携えて欧米にやってくる、こうした大富豪の扱いに白人たちはなれています。
国内で成功者になり富を得て、都合が悪くなるとその財産を持って西側諸国に逃げてしまうイメルダ夫人のような富豪や、欧米ブランドものを集めたがるアデヌガ氏のような富豪は、元植民地の国を中心によく見られます。

過去記事「昭和世代が若者に教えたがらない日本が豊かになれた秘密4つ」において、ヨーロッパの宗主国だった国々には表に出てこない利益があると書きました。その一つが、これなのです。

自国のインフラや資源、政権を握って富裕層になった第三世界の人物を、西側諸国は家族ごと受け入れます。そして、時おり厳しい評価を交えながらもズルズルと甘やかし、彼らのお金を吸い取り続けます。
彼らは自国の骨格を握る「官」なので、そこに国民や資源がある限り、財源は尽きません。

日本の場合、昭和に活躍した世代が日本を先進国まで引き上げた過去があるため、ドルに対する円の交換価値はアフリカや東南アジアの通貨よりずっと高いです。そのため、孫さんは第三世界の大富豪より大きなお金を扱え、大手の欧米企業の買収もできるので目立ちます。しかし本質は同じです。

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植民地支配の時代、宗主国から派遣される人々は、故郷を離れて違う風土の土地に住み、治安や衛生面の悪さと戦わなくてはなりませんでした。インド総督など、なったら生きてイギリスに戻れない役職と言われたそうです。
でも、今はマスメディアとジェット機という文明のおかげで、元植民地や日本のような国の大富豪たちが自ら国の富を西側諸国に持ってきてくれます。
21世紀型の植民地の方が、過去のそれよりもずっと効率的なのです。

ソフトバンクを現実に支える携帯キャリア派遣社員の実情

孫さんの財源である国内通信事業。大手キャリアでも、その従業員の多くが非正規雇用であることはよく知られていますね。

3年ほど前、こうした場所で働いていたという方と話をしたことがあります。
携帯ショップ従業員の多くは若者ですが、彼もまた30歳ぐらいの若い男性でした。

ショップの店員は一見、単純な仕事に見えますが、実際は非常に覚える内容が多いといいます。来て一日目に「こんなにたくさんのことを覚える自信がない」と辞意を示す人までいるそうです。

そうした新人に仕事を教えるのも、また派遣社員です。
彼自身がその立場でした。大量の業務内容をがんばって覚えたのです。
それでも、一年ほどで契約終了になってしまったといいます。
彼が今、どうしているのか私にもわかりません。

携帯ショップに限らず、大企業のロゴの入った半被をきて、時給1500円前後、フルタイムで働く派遣の若者は、失われた30年の間にとても増えました。
彼らの多くは都市部の集合住宅に家賃を払って一人で住み、ギリギリの生活をしています。
そして人生で最も記憶力が豊かな若い時代を、こうした契約期間だけしか使わない知識を覚えるために費やしてるわけです。

 

あなたのお金はあなただけのものではない

貧困国型の富豪の特徴のまた一つが「自分の下で働いている自国民の育成に無関心な傾向である」という点です。

孫さんも世界の有力者と親しくなることには熱心ですが、自分の会社のために働いてくれた若い日本人たちの将来を考えることは、あまりないようです。

派遣社員やフリーターとして働く若者のことを、学歴が低く、根性もない、使い捨ての労働者とみなす経営者は多いですね。
彼らの教育に時間とお金を費やしても、それで転職されたらおしまいだと思う人もいるでしょう。

しかし日本で日本人に行う投資は、外国で外国人に投資するより、ずっと役に立つのです。
日本人に生まれた以上、その人は日本という国と縁を切ることはできません。
他の企業だろうと、低学歴だろうと、その人の頑張りは日本経済のプラスになります。
たとえ日本を嫌って海外に飛び出して一生戻らない人に投資したとしても、その人に現地に貢献する力があれば、日本人に良いイメージを持つ外国人が増えて、回り回って日本に住む人のためになるのです。

一方、欧米で欧米人に投資したお金が、日本に返ってくる可能性はずっと低いです。

2015年、孫さんは後継者として、過去にグーグルで働いていたインド系アメリカ人のアローラ氏を紹介しました。
結局、二人は別の道を歩むことになりましたが、孫さんはアローラ氏の退職までに彼に200億円近い報酬を払ったと日本wikiにはあります。

「なんでソフトバンクのために働いた日本の若者犠牲にして、そんなの払わなあかんねん?」

と、私などは思ってしまいます。

現在アメリカ企業の取締役をしているアローラ氏。今後、彼が日本のために何かしてくれることは、おそらく死ぬまでないでしょう。

 

孫さんが天才的なアーティストで、彼自身の才能で世界の嗜好家からお金を集めることができて、それを好きなように使うというなら、こんな話、余計なお世話です。
しかし、孫さんの資金源は元は国鉄であり、国家インフラなのです。日本人は通信インフラ費用としてソフトバンクにお金を払っている。そのお金を外国人にあげてしまい、日本国内に循環させない。そして、それが許されてしまう・・・

「公社の民営化は失敗だったのではないか?」

昭和を覚えてる世代として、そんな思いも頭によぎります。

とりあえず孫さんは欧米に住む外国人にむやみにお金をあげるのをやめてほしい、そして国内で自分の会社のために働いてる人たちのことをもっと考えてほしいと、切に思います。

 
この記事は過去の経歴がわかりやすく説明しやすいため、孫さんについて取り上げています。しかし、私は現在の日本の富豪の多くが彼やアデヌガ氏と共通点が多い人たちだとも考えています。

 

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https://en.everybodywiki.com/Eniola_Adenuga
https://www.forbes.com/sites/mfonobongnsehe/2018/07/05/nigerian-billionaire-mike-adenuga-receives-frances-highest-national-honor-from-president-macron/#13731712f342
https://naijauto.com/market-news/mike-adenuga-4736
https://fstandard.co.jp/column/asset-management/1091
https://en.wikipedia.org/wiki/Mike_Adenuga
https://en.wikipedia.org/wiki/Glo_(company)
https://en.wikipedia.org/wiki/SoftBank_Group
https://en.wikipedia.org/wiki/Masayoshi_Son

Mike Adenuga’s Son Paddy Sells London’s Family Home For Billions Of Naira


https://www.hottopics.ht/4605/masayoshi-son-ceo-lost-70bn-in-day-before-conquering-world/

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