知ってほしい!梅毒は脳を破壊する恐ろしい性病

近年、出会い系サイトの登録者が増加してますね。
10代の学生の間からさえ登録の話題を聞きます。年齢、学歴とわず広まっているようです。

バブル期以降から続く性的モラルの低下、若者の貧困化、過去が残りにくいという特徴から、私的売春もできる出会い系サイト/アプリは人気を集めているといわれています。

そして、それに連動するものとして報じられているのが、梅毒の流行です。

 

現代人には伏せられがちな梅毒の危険性

梅毒は大昔からある性病です。病原体である細菌は梅毒トレポネーマとよばれています。昭和の時代は、より広義に梅毒スピロヘータと表していました。

現在、症状としては「発疹が出る」「腫れる」程度の軽い表現しかされていないことが多いです。薬ですぐに治るともされています。

しかし梅毒は実際には、クラミジアや淋病といった他の性病とはわけが違います。病状が進めば、HIV以上に恐ろしい病気です。

 

どういうわけか現在は、医療関係者によるサイトですら、梅毒の恐ろしさについて、あまり深いことは書いてありません

いま現役の医師たちが学生の頃、梅毒は過去の病気になりかけていました。そのため、教科書で学んだ程度の知識しかない場合が多いのかもしれません。

だとしたら、その分、深刻化した場合は、慣れた医療関係者がおらず、どうなるかわからないということになります・・・

 

以下は、1980年代頃までよく取り上げられていた梅毒の症状です。
昔の話と思うかもしれませんが、昔と今で菌が変化してるということはありません。治療が遅れた場合の末期症状は同じでしょう。

 

知ってほしい!梅毒の恐ろしい末路

脳を冒され痴呆化して死んだニーチェ

昭和の時代、梅毒は最後に菌が脳を冒し発狂する病気として知られていました。

日本で近年、人気を集めている哲学者ニーチェもまた、梅毒により発狂した人物でした。
梅毒で脳を冒され正常な精神を失ったニーチェは、馬が鞭うたれる姿を見て錯乱し、街中で騒ぎを起こし警察沙汰になります。その後に友人に書いた手紙も、ドイツ皇帝にローマに撃ち殺されに行くよう命じたり、「ローマ法王は刑務所に入れられなければならない、それから自分ニーチェが世界を構築する」などいった、正気を失ったものでした。ニーチェは母や友人たちによって精神科につれていかれます。
その後、痴呆がすすみ、脳梗塞を起こして話すことも歩くこともできなくなり、身体が麻痺し、死に至りました。

意思の力で自己をコントロールする人類の進化形「超人」を夢見た哲学者としては、あまりにも皮肉な最後です。
(関連記事:「ちょっと不安なアドラー心理学。その背景」)

芥川龍之介の著作「南京の基督」にも梅毒に感染し発狂した男性の話がでてきます。

 

全身麻痺になった英首相チャーチルの父

イギリスの首相として名高いチャーチルの父、ランドルフ・チャーチルもまた、梅毒によりなくなった人物です。
ランドルフも息子と同じく政治家でしたが、40歳近くなると梅毒の進行によってスピーチも満足にできなくなりました。
その後、日本のwikiには梅毒による全身麻痺になったとあります。
晩年には棺桶をもって死を覚悟した世界旅行に出ましたが、帰国後45歳の若さで亡くなりました。

 

まっすぐ歩けなくなる!

「失楽園」「化身」の著者である故 渡辺淳一さんが 医師だったことは、ご存知の方も多いと思います。
1970年代に出版された短編に、神経をおかされて、まっすぐ歩けなくなった男性の話がでてきます。
たとえば路上のまっすぐなラインの上を、それに沿って歩いていこうとしても、体が勝手に片側に寄っていってしまうのです。
彼から感染したのか、やはりまっすぐに歩けなくなっている昔の恋人も登場します。

このように神経が冒される状態になると、現在の医学でも治療には入院が必要だとされています。

 

鼻が陥没する!

以前はよく「梅毒が進行すると鼻が落ちる」などと聞きましたが、〈第3期〉のゴム腫が鼻骨にできると、崩れたり陥没することがあり、この状態を「鼻が落ちる」と表現したのでしょう

ただ、現在では〈第3期〉以上に進行する患者さんは、ほとんどいません。

FNNプライム

 

大事なのは恐怖を無視することではなく、無事に生きながらえること

上の引用の最後のように、最近は梅毒の流行が報じられても”現在は深刻化することはほとんどない”、”薬ですぐ治る”などといった文言がつくことが多いです。

そういわれると、楽観的にとらえてしまう方が多いのではないかと思います。
「心配だけど、時間もお金もないし、慌てて病院に行かなくても・・・」と思ってしまう方もいるかもしれません。

しかし実際は、上に述べたように、深刻化すれば症状が全身に及び、人生を破壊する恐ろしい病気です。淋病やクラミジアとは違うのです。

 

現在、梅毒はペニシリンによって完治が可能とされています。
しかし精神や知能に異常をきたすまで病状が進んだ場合、本当に完治するのかはわかりません。

初代バイオハザード「飼育員の日記」内の「かゆ・・うま」(かゆい うまい)は有名ですね。
細菌によって、人が正気をうしなっていく過程の代名詞です。
それが架空のゲームでなく、現実になりかねない病気が、梅毒なのです。

 

 

 

90年代以降の日本は、マスコミ中心に、若い人になるべく恐怖心を抱かせないようにする姿勢が目立ちます。
(関連記事:「バブルは日本をどう変えた?日本人の死生観」)

しかし安全神話と実際に安全であることが別であるように、恐怖から目をそむけさせたからといって、実際に危険がなくなるわけではありません。

日本が本当はそれほど安全でないことを覚えてる世代は、若者を怖がらせることを懸念する以上に、彼らが身をまもるために的確な知識を得られるよう、努めなくてはならないのではないかと思います。

外部情報サイト:
「東京福祉保健局 梅毒について」

 

https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167145071
https://en.wikipedia.org/wiki/Friedrich_Nietzsche
https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/058080499.pdf

 

 
<関連記事>
ちょっと不安なアドラー心理学。その背景

なぜアメリカ人は進化論を信じない? 日本人が知らないその背景

なぜアメリカの真似をする国は失敗するのか?理由は2種類の白人たち

日本の若者に忍び寄る「フィリピン人化」